ぐっときた漫画・アニメ・映画について語るブログ

はじめましてonyaaです。漫画が好きで、でも漫画友達が少ないので、感動や興奮の衝動を文字にします。この世には素晴らしい作品が溢れていて幸せです。

「凪のお暇」出来る男・慎二の残念なとこが好き。かわいさに悶えた感想※ネタバレ注意

本日語りたいのは、『このマンガがすごい!2019』オンナ編にて見事3位に輝いた「凪のお暇」。

第11回(2018年)のマンガ大賞にもノミネートしていて、おもしろいと評判の作品です。

 

ずっと気になっていて、ようやく既刊5巻まで読破!

当然というか、めちゃくちゃおもしろかったです。すごい。余韻がすごい。

 

*あらすじ*

主人公は28歳OLの大島凪(おおしま なぎ)。いつもニコニコ、周りに気を遣って空気を読んで行動することが習慣の女の子です。

同僚から仕事を押し付けられても、彼氏から横暴なこと言われても、凪はニコニコ受け入れていました。でもある日、限界が訪れます。

 

いろんなことが重なって、張り詰めていた糸がぷつっと切れたその日、会社で過呼吸になって倒れてしまいます。

それをきっかけに、凪は仕事を辞めて、恋人とも別れ、人生をリセットしました。

 

新たな街で、新たな生活をはじめた凪。ささいな工夫で、毎日はとても豊かになる。幸せになるための、凪の小さくて壮大な挑戦のお話です。

 

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読む前は、どんなお話か正直想像つきませんでした。けど読んでよかった!!!ほんとによかった!!!!

 

すごくほっこり幸せになるんですが、同時にいろいろと考えさせられることが多くて、たくさんの人の心に響いたのがすごく分かります。

 

凪ちゃんは周囲を気にしすぎてちょっと心が疲れてしまいました。これ共感した人とか、すでに経験したことある人たくさんいると思う。必要以上に「空気読んで」っていう風潮、みんな疲れてきているんでしょうね。

 

そんな凪ちゃんが、少しずつ成長していく様が、丁寧に描かれています。彼女がこれまで出来なかったことが出来たときはすごく嬉しくなるし、凪ちゃんが一歩踏み出すたびにワクワクしてしまいます。

 

めちゃくちゃいい子なのに、とても自己評価が低い凪ちゃん。私の周りにもそういう子います。もっと自信持てばいいのにって思うけど、いくら周りが言っても本人次第で。生きづらそうだなあと心配することもしばしばです。

 

凪は、新生活で出会ったご近所さんや友人に恵まれて、少しずつ元気になっていきます。自分を認めて、自信をつけていく様子は、見ているこちらまで勇気をもらえます。

 

 

それでねー彼女が自信をなくした原因のひとつでもある、元彼の慎二(しんじ)というキャラクターがいるんですけどね。物語の中では慎二はけっこうひどい男で、すぐ凪を貶して傷つけます。

 

でも私的にはこの慎二がめっちゃ好きなんですーーーーー!!!!!

 

 

THE・ツンデレ!ほんと全然素直じゃない!そこがかわいい!

 

慎二が凪に暴言を吐くときって、だいたい照れ隠しか誤解です。お話が進むにつれ、これまで出てきた凪のエピソードを、慎二目線で見せてくれるというのが何回かあるんですが、見事なすれ違いです。アンジャッシュか。

 

ふたりのすれ違いエピソード、さらっとですがご紹介します。

 

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①バーベキュー事件

慎二の友人たちが開催するBBQに、凪も一緒に参加したときのこと。

彼女として紹介してもらえるのかな・・・とドキドキする凪。ここで粗相をしてはいけないと、普段以上に空気を読んでがんばります。

 

慎二の友人たちは、凪の友人にはいないタイプの高学歴でエリートな人ばかりで、どうしても引け目に感じてしまう。その結果、がんばりが空回って雑用係のようになってしまいました。

 

それでも慎二のために!と思っていた凪でしたが、結局彼女として紹介もしてもらえず、ああ私ではダメだったんだ・・・と落ち込みます。

 

ところがこれ、慎二目線でみるとまた様子が違います。

実は男性陣のあいだでは、友人のひとりがひどいフラれ方をして傷付いていて、傷心パーティーのようなノリになっていたのです。

そんなときに、彼女できた!って紹介する訳にはいかない。本当は紹介したかったけど、友人のために今回は我慢した・・・というのが慎二側の真実でした。

 

 

②名前呼び事件

恋人になって間もない頃のこと。慎二は凪に、自分のことを名字ではなく下の名前で呼んでと提案します。

凪は恥ずかしいけど勇気を振り絞って「慎二」と呼びました。けどそんな凪を軽くあしらい、なんなら鼻で笑う感じの慎二。

 

そして彼は飄々とトイレへと去っていきます。ショックを受ける凪。

 

ところがその慎二、トイレの中で悶えていました。便器抱えて動けません。恥ずかしそうに呼んでくれた凪が可愛すぎて、萌え死にそうになっているんですね。なんだそれ。

 

 

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・・・いやそれを口に出して言ってあげろよ!!!!!!

 

ちょっとツンデレでは済ませられないレベルです慎二さん。正直に伝えていれば超ラブラブ間違いなしなのに、いつも照れ隠しでいじわるして思ってもないこと口にしてるから、凪はどんどん自分に自信なくしていきます。

 

もう完全に慎二が悪いんです。凪ちゃんなにも悪くない。慎二が最悪。

 

 

けど!!!

ツンデレ好きにはたまらない!!!

とても仕事のできる営業マンで、会社から期待され社内でもモテまくっている慎二が、凪が好きすぎてついイジメちゃう。まるで小学生みたいなその行動が、ほんとにかわいい!

 

やられてる凪ちゃんからすれば、最悪だとは思うんですけどね。

分かってあげてーーーーツンデレなんだよーーーーー!!

 

 

 

実際、慎二は凪以外にはとてもいい奴です。仕事においても、お客様が何を求めているか察知する能力に長けていて、営業成績は常にトップ。空気を読みつつ、周りを巻き込む行動力やトークスキルも併せ持っているので、彼がいるだけで場の空気が良くなります。

意味のない悪口は言わないし、彼なりの美学や正義をきちんと持っている、正真正銘のいい男。そんな慎二が、なぜか凪にだけはポンコツなのです・・・

 

惚れた弱みってやつなんでしょうか。描写を見る限り、慎二は凪のことほんとの本気で好きなんです。

 

節約が趣味の凪は、慎二にも家庭的な面をたくさん見せています。ドレッシングを手作りしたり、お出汁を小分けで冷凍していたり、主婦の知恵をたくさん知っている凪。そんなところを貧乏くさいと言ったりしてしまう慎二ですが、内心とても癒されていたようです。

 

作中、彼が家族愛に恵まれなかったということが語られています。実家は裕福で幸せそうに見えますが、中身は薄っぺらい家族。慎二は自分の家族のことが嫌いです。

 

だからこそ、家庭的な凪に、安らぎを覚えていたんでしょうね・・・

 

5巻現在、まだまだ凪に未練たっぷりで、でも前に進まなければという意思は感じる慎二。これからどうなるのか・・・できれば凪とよりを戻して仲良くなってほしい。

すべてさらけ出したら、母性本能強めの凪とはすごくいいパートナーになると思うんですが、それは慎二次第ですね。

 

凪のお隣の住人・ゴンさんはどうやら凪に好意があるみたいですし、一筋縄ではいかないんだろうなあ。けど慎二にがんばってほしい。今後、素直な慎二が出てきたら私は間違いなく萌え死にます。カッコ悪くてもダサくても、いつか凪に思いの丈を伝えられる日が来ることを祈っています。

 

がんばれ慎二!